カンティーナ・ディ・モンテフォルテ

1952年3月、80の加盟生産者からなる農業組合が、ブドウの価格を不当に買い叩いていたワイン商に対抗するために、協同醸造所カンティーナ・ディ・モンテフォルテを立ち上げました(初代会長は当時の市長でもあったリヴィオ・アントニオーリです)。カンティーナ・ディ・ソアーヴェと並び、ヴェローナ地方で最も古い歴史をもつ生産組織の一つであり、最も早くに設立された協同醸造所の一つでもあります。
最初の瓶詰めが行われたのは、1950年代末のことでした(1959年物のボトルは今でもワイナリーのコレクションとして飾られています)。その後ほどなく、厳選された最高品質のブドウを原料として、クリヴスの名で知られるワインが誕生しました。ワイナリーは1970年代初めまで順調に成長を続けましたが、多くの協同醸造所が大きな経営危機に直面した1976年には瓶詰めラインの停止を余儀なくされ、この過渡期をくぐり抜けた1980年代に、ようやく生産が再開されました。 現在、加盟農家590、ブドウ畑1,200ヘクタール、スタッフ15名を擁するカンティーナ・ディ・モンテフォルテは、年間約100万本のワインを生産しています。
主力製品ソアーヴェ・スペリオーレDOCGクラッシコ「ヴィニェート・ディ・カステッラーロ」は、技術者チームが加盟農家の監理と指導にあたる「クオリティ・プロジェクト」に完璧に沿ったワインです。それは、モンテ・グランデ、モンテ・セッラ、カ・デ・ナーパといったモンテフォルテの主要なクリュで生まれる他の貴重なワインについてもあてはまります。すなわち、すっきりと端正でとても心地よい味わいのソアーヴェ・クラッシコ・クリヴス、ヴィーニ・デル・キオストロ・ラインの中の遅摘みブドウから造られる複雑な味わいのソアーヴェ・クラッシコ・イル・ヴィカリオ、そして、ソアーヴェ・クラッシコ・テッレ・ディ・モンテフォルテ(これはカンティーナ・ディ・モンテフォルテでは最も新しいワインですが、品質プランの中では他のワインと同様に重要銘柄として位置づけられています)。
ヴィニェート・ディ・カステッラーロはこの地方で最も魅力的なクリュの一つであり、ブドウ畑が多様に入り組んだ丘陵地の中で、存在感のある目印ともなっています。ひときわ目につく円錐形の圧倒的なスケールは、この丘が元々は死火山であったことに由来しており、実際、人類の最初の定住地の一つであることを示す考古学的な遺跡が、ここで発見されました。小さな森が取り巻く、丘の一番標高の高い一角は、「クッカ」の名で知られており、いわば「クリュの中のクリュ」という扱いを受けています。
カンティーナ・ディ・モンテフォルテが運営するカステッラーロのブドウ畑の広さは13ヘクタールにおよび、海抜は150~300メートル、勾配は3%~15%となっています。斜面は真南に向いており、ペルゴラ・ヴェロネーゼ仕立ての等高線栽培が行われています。ブドウの平均樹齢は約30年、最初の植樹は60年代に行われました。火山性の土壌は玄武岩を多く含み、粒が細かく、表層土はあまり深くありません。また、オリーヴやサクランボの木が茂り、この土地の生物多様性を示しています。
カステッラーロのガルガーネガは10月初めに収穫されます。発酵工程の後は、一部はバリック樽(30%~40%の新樽)、一部は「シュール・リー法」を用いてステンレスタンクで8〜9か月間熟成されます。
ワイナリーの理事ガエターノ・トビンは、オーク樽の使用について明確な考えをもっています。「ワインにストラクチャーや高貴さを与えるには、木の香が少し必要です。大事なことは、オークはあくまでも補足役であり、ワインの特性を変えたり、隠したりするものであってはならないという点です。ワイン造りには昔から木樽が用いられてきましたが、それは伝統の一部なのです。収穫後、夏が来るまで栗材の樽で寝かせることもよくありました」。

ガエターノ・トビン、マッシミーノ・スティッツォーリ
カンティーナ・ディ・モンテフォルテの理事と会長